内なる光 ― あるいは色彩の表現

Trees on Head in Yellow Glass, 2020/21, cast glass, 13.5 x 17.5 x 11 cm © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2023.
Velvet Girl, 2021/22, cast glass, 10 x 28 x 12 cm © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2023.

ギャラリー・デュ・モンドは、フィリップ・ボルマンのキュレーションによるグループ展「内なる光 ― あるいは色彩の表現」を2023年9月14日から2023年10月28日まで開催いたします。

ミリアム・カーン、ヘレン・フランケンターラー、イケムラレイコ、マータ・ユングヴィルト、ミヒャエル・ミュラー、マクシミリアン・レーデルといった、世代も出自も異なる6人のアーティストが対話する展覧会です。

本展のハイライトと言えるのはヘレン・フランケンターラーの代表作「オフ・ホワイト・スクエア」(1973年)でしょう。彼女が制作したペインティングのなかでも最大級のもので、アジアでの展覧会デビューとなった作品です。ジェスチュラル・ペインティングからカラーフィールド・ペインティングへと移行する時期に制作された記念碑的なペインティングで、彼女の作品の表現力がきわめて豊かであることの良い例となるものです。純粋な色彩が広がる、薄めた絵の具を使った表現が特徴的です。

「内なる光 ― あるいは色彩の表現」展は世代も出自も異なる6人のアーティストの対話の場となっています。色彩の輝きを讃える一方で、他方では輝きや光は現代美術に今も内在するものだと指摘するといったように。絵画において光は明暗のコントラストとして特徴づけられがちですが、色のアクセントが生み出す雰囲気は光が放たれることでかもしだされます。関連しつつも異なるこの2つの観点を結びつけるために、展覧会のタイトルには「内なる光」という言葉を用いています。また、マーク・ロスコが抽象絵画の効果を表現するために使った「内なる光」という言葉を思い起こさせる狙いもあります。

しかし、ロスコにとって抽象と具象の区別はイデオロギー的な動機に基づくものであったのに対し、本展の展示作品はこの区別が今日ではほとんど意味をなさないことをよく示しています。芸術とはかたちを見つけることであり、芸術家は構図からかたちを見つけ、構図は形式的な構造、あるいはコントラストから生まれ、コントラストは色彩によって生み出されるのです。


オープニング:9月14日、午後5時~7時
開館日時:月曜日~土曜日、10時~19時
 
出典:ギャラリー・デュ・モンド
 


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