女性アーティスト、コレクター、研究者 ― 日本美術コレクションに貢献した女性たち

Mikolina & Miko, 2008, terracotta, glazed, ca. 38,5 x 14,5 x 15 cm & ca. 36,5 x 18 x 13 cm © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2023. Collection of the Museum für Asiatische Kunst, Staatliche Museen zu Berlin, Humboldt Forum.

出展作家:イケムラレイコ、森村おうけい、徳山玉瀾、星野佳世子、桜井靖子、松原直子、手塚愛子

日本美術のコレクションへ女性が果たしてきた貢献がどのようなものであったかをご覧いただける、臨時コレクション展を行います。これはアジア美術館史上おそらく初の試みです。

コレクションを作り、かたちを整え、カタログを執筆し、展覧会やイベントを企画してきたのは、1966年から1985年まで美術館の初代館長を務め、今なお唯一の女性館長でもあるベアトリクス・フォン・ラゲや、キュレーターのステフィ・シュミット、桑原節子、カイン・チンといった女性研究者たちでした。1906年以来本館の学芸員には男性しかいませんでしたが、第二次世界大戦のさなか初の女性研究助手としてその男性だけの領域に入り込むことに成功したのは、1944年に本館コレクションの主要作品について博士号を取得したローゼ・ヘンペルでした。日本から集めた絵画コレクションを自ら寄贈し、美術館のコレクションをさらに豊かなものにしてくれました。

しかし、彼女が本館の最初の、あるいは唯一の女性後援者であったわけではありません。まず挙げられるのはマリー・マイヤー(1834-1915)であり、工場経営者であった夫に先立たれた彼女は日本美術のコレクションを美術館に遺贈しました。このコレクションは1945年、戦争にともなう移転のなかでその数を大きく減らしてしまいましたが、もともとは非常に広範なものでした。このコレクションをともに作り上げたのは、フライブルクの美術・民族学者エルンスト・グロッセ(1862-1927)でした。木版画の分野で重要なのは、トニーとして知られる、アントニー・シュトラウス=ネグバウア(1859~1942)です。637のカタログ番号からなる彼女のコレクションは1928年にベルリンで競売にかけられ、ベルリン国立美術館はそこから一冊の書籍と作品30枚を入手しました。これらは今でも多くが展示されています。コンサート・ピアニストとして修業を積んだマグダレーン・C・ハモンズ(1903-1995)が所蔵していた着物やその他の衣服は、それまであまり充実していなかった日本のテキスタイル・コレクションのハイライトとなりました。

パートナーどうしで美術コレクションを行っているヨシエ・ナウマンおよびクラウス・F・ナウマン夫妻、アネリーゼ・クリューガー博士およびヴルフ・クリューガー博士夫妻、ジョセフィーナ・オガンド・ルビオおよびディートリッヒ・ノイマン教授夫妻など、多くの女性がコレクションの拡充に大きく貢献しています。また、マイエン・ベックマン現主宰およびジョンヒ・リー=カリシュ教授元主宰が率いるドイツ東アジア美術協会の貢献にもこちらで感謝申し上げます。これらを通じて、イケムラレイコや森村おうけい(1831年頃活躍)等の女性作家の作品が当館にもたらされました。本展には画家の徳山玉瀾(1727-1784)、陶芸家の星野佳世子、桜井靖子、現代美術家の松原直子、手塚愛子らの作品も展示されます。

本展はフンボルト・フォーラム展示室318「日本の美術」での常設展「民族学コレクションとアジア美術」の一環として開催される、ベルリン国立博物館アジア美術館による臨時展示です。

開館日時:水曜日~月曜日、10時30分~18時30分
火曜定休

出典:フンボルトフォーラム



Museum für Asiatische Kunst(アジア美術館)
Staatliche Museen zu Berlin(ベルリン国立美術館)
Humboldt Forum(フンボルトフォーラム)
Schlossplatz
10178 Berlin

tel. +49 (0) 30 9921 189 89
(月、水、木、金、土:午前10時~午後6時)

https://www.smb.museum/museen-einrichtungen/museum-fuer-asiatische-kunst/home/