物体の秘密 - 絵画作品

Vine and Orange, 1990-93, oil on canvas, 30 x 24 cm © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2018. / Photo: Studio Ikemura.

キュレーター:Hartmut Neumann

出品作家:Thomas Arnolds, Martin Assig, Michael Bauer, Tim Berresheim, Norbert Bisky, Peter Bömmels, Nicola de Maria, Peter Dreher, Lutz Driessen, Robert Elfgen, Wolfgang Ellenrieder, Max Ernst, Jean Fautrier, Bruno Goller, Wolf Hamm, Thomas Hartmann, Anton Henning, Gerhard Hoehme, K. H. Hödicke, Thomas Huber, Johannes Hüppi, イケムラレイコ, Olav Christopher Jenssen, Marjorie Jongbloed, Konrad Klapheck, Robert Klümpen, Karin Kneffel, Dieter Krieg, Susanne Kühn, Stefan Kürten, August Macke, Stephan Melzl, Hartmut Neumann, Heribert C. Ottersbach, Simon Pasieka, Ulrich Pester, Stefanie Popp, Roland Schappert, Katharina Schilling, Julia Schmid, Andreas Schulze, Norbert Schwontkowski, Sibylle Springer, Norbert Tadeusz, Gert und Uwe Tobias, Cornelius Völker, Friedemann von Stockhausen, Stefan à Wengen, Thomas Werner

 

ベック&エッゲリング インターナショナル・ファインアートでは2018年11月16日から2019年2月2日まで展覧会「Geheimnis der Dinge. Malstücke(物体の秘密~絵画作品)」を開催いたします。本展は規模を拡大して2019年春にクンストハレ・レックリングハウゼンにて開催を予定しております(2019年2月17日~4月7日)。双方の展覧会にあわせ、クンストハレ・レックリングハウゼン館長Hans-Jürgen Schwalm博士による序論を掲載したカタログを発行いたします。

ベック&エッゲリングでのオープニングは2018年11月16日(金)、午後7時よりBilker Straße 5 & 4–6, 40213(デュッセルドルフ)にて開催いたします。

 

物体の秘密、絵画作品。物体、そしてその秘密を描くことは、絵画史において長い伝統があります。オランダ絵画における豪華な花の静物画には、花が担う意味あいを用いて、細かく微妙なメッセージが隠されています。20世紀の前衛芸術家たちはアフリカやオセアニアからやってきた人形やマスク、祭礼用品に夢中になるとともに、その秘密に満ちた神秘性を絵画作品に取り込みました。ノイエ・ザッハリヒカイト(新即物主義)の芸術家たちの表現方法は、実体的なものを相対化して描くことをよしとしないものでした。彼らの作品は微細なディティールと目立たない事物から構成され、独特なポエジーを生み出しています。華々しさもなく、簡単に見過ごされてしまう現実の世界、例えば洗い場やグラス、サボテンやガイコツといったもの。秘密や魔法を隠さずにおくために、陳腐と言えるものはないのです。

本展に出品している49名の作家の「絵画作品」の最大の共通点は「実体的であること」と言えるでしょう。描かれているのは実体的な物体や偶然に見つけたもの、あるいは日常的に使っている道具類です。なかにはシュールレアリスティックなかたちや抽象的なものもありますが、それらは「実体的に」描かれています。古典的な静物画からよせ集めへ、角石からしみへ…描かれたものは絵画へとその姿を変えます。次々と並ぶ絵画は全て小サイズから最小に近いフォーマットです。展示されるのはすべて50 x 40cm以下のサイズのものです。

物体に秘密を与えること…なかには個人的な意味が持たされているように思える作品があります。特筆することもないような物体がわざわざ描かれているのです。静物画として繊細に描かれたグラスや容器類には、それを日常的に使いここに残していった、今はいない人物の痕跡が残されています。秘密が明らかになるのは、背景に脱ぎ捨てられた、その絵画の着想のなかだけです。抽象的な厚塗りの絵の具の跡、詳細に満ちて暗号化された静物画…物体たちのお芝居が始まります。絵の絵、それ自体が描かれる対象になります。「物体の秘密」という問いは、見るものの視線を、隠す必要のあったものだけでなく、隠されていないものへも向けさせます。私たちは物体のなかに何を見ているのか、現実世界につながるどのような暗喩が解明され、どういった新たな気づきが得られるのか? なかには秘密のまま解明されず謎のままに終わるものもあるでしょう。これらを追跡し、物体に潜む魔法を探り、謎は謎のままに残しておくこと。本展覧会でみなさまにお楽しみいただければと思います。

(下記出典サイトより日本語訳)

 

Beck & Eggeling International Fine Art
(ベック&エッゲリング インターナショナル・ファインアート)
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出典: https://www.beck-eggeling.de/de/ausstellungen/geheimnis-der-dinge-malstuecke/?h=1