画家の詩、詩人の絵 ー 絵は詩のごとく、詩は絵のごとく

M Scape, oil on jute 2009, 170 x 90 cm, © Leiko Ikemura, private collection Tokyo

「ときに絵は詩のように語りかけ、詩は絵のような豊かな色彩とかたちを提示します。事実、多くの画家が詩を書き、詩人が絵を描いてきました。明治から現代までの画家と詩人の詩と絵を一堂にあつめ、ひとつの観点から捉えます。」(北海道立函館美術館ホームページより引用、現在は削除)

古来、西洋では「絵は黙せる詩、詩は語る絵」といわれてきました。日本でも画賛(がさん)、詞書(ことばがき)が絵画の重要な役割を果たし、「詩書画」の一致を成してきました。一方、日本の近代洋画は、文学からの自立を目指した西洋近代美術の影響のもとで始まっています。特に印象派以後、新しい造形表現を積極的に取り入れた結果、実に多様な作品がうまれました。しかし、現実の生きた情感から浮き上がった作品が多く生まれたことも事実です。こうした中で、村山槐多、長谷川利行、古賀春江、三岸好太郎、山口薫などは、西洋近代美術に学びながらも、文学性、詩情を拠りどころとして優れた作品を残しています。さらにまた、詩の世界では宮沢賢治、立原道造、草野心平らが独自性のある絵を描いています。ある意味では、モダニズムが斥けてきた詩情、文学性を活かすことで、日本独自の絵画が成立したといえます。

近年では、一部の画家たちが積極的に詩の世界に接近し、新しい表現を生み出そうとしています。本展は、明治から現代までの画家と詩人の絵画と詩を一堂にあつめ、絵画と詩の密接なつながりを検証するものです。

画家:小杉未醒、青木繁、竹久夢二、萬鐡五郎、藤森静雄、恩地孝四郎、田中恭吉、中川一政、長谷川利行、古賀春江、川上澄生、村山槐多、谷中安規、三岸好太郎、棟方志功、長谷川リン二郎、難波田龍起、山口薫、香月泰男、南桂子、松本竣介、浅野弥衛、飯田善國、草間彌生、田島征三、芥川麟太郎、藤山ハン、難波田史男、イケムラレイコ、瓜南直子、O JUN、小林孝亘、鴻池朋子、村瀬恭子、伊庭靖子

詩人:正岡子規、高村光太郎、北原白秋、木下杢太郎、萩原朔太郎、佐藤春夫、西脇順三郎、宮沢賢治、佐藤一英、尾形亀之助、稲垣足穂、岡崎清一郎、富永太郎、小熊秀雄、北園克衛、瀧口修造、草野心平、中原中也、長谷川四郎、まど・みちお、立原道造、三好豊一郎、新国誠一、木島始、春日井建、吉増剛造、田畑あきら子、山本陽子

巡回スケジュール

2015年9月19日(土)~11月8日(日)平塚市美術館
2015年11月17日(火)~12月20日(日)碧南市藤井達吉現代美術館
2016年2月13日(土)~3月27日(日)姫路市立美術館
2016年4月9日(土)~6月12日(日)足利市立美術館
2016年6月18日(土)~8月7日(日)北海道立函館美術館

出典:平塚市美術館アイエム

 

北海道立函館美術館
〒040-0001
函館市五稜郭町37-6

https://artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp/hbj