30周年記念展

A Girl in Pink, 2021, tempera and oil on nettle, 90 x 90 cm. © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2022.

ギャラリー・ペーター・キルヒマンは設立30周年に際し、多方面にわたる内容の記念展を開催するとともに関連書籍の刊行を行います。「30 Years Anniversary Exhibition(30周年記念展)」と題し、48人のアーティストが勢揃いします。その時その時におのおののかたちで当ギャラリーの歴史を一緒に作ってきたアーティストたちです。本展はレミ通りのギャラリーの展示室すべてを使用し、30年にわたる50点以上の作品を展示いたします。

1992年、ペーター・キルヒマンはチューリッヒの西側に位置するシェラー・ハルトトゥルム社の旧工場内に、一軒めのギャラリースペースをオープンしました。当時、現在のようなヒップな雰囲気もなく、純然たる工業地帯であったこの地域に、小さなギャラリーが数軒進出してきたのです。好奇心とパイオニア精神が踏み出させた一歩でしたが、それがチューリッヒの現代アートシーンを前進させる手助けとなりました。初期の展示プログラムの中心となっていたのは特に写真やビデオアートで、当時は確立したジャンルとまではいかず、ギャラリーで展示されることもほとんどなかったメディアでした。

ギャラリーを始めてからの4年間はウォームアップ期間とも言うべき時期で、チューリッヒの西にあるハルトトゥルム通り127番地の小さな建物からのスタートだった。そのころそこは「街」だとも見なされておらず、そこに住もうという富裕層などまだいない時期だった。私のギャラリーが一人前になったのは1996年にレーヴェンブロイ地区に移転したときだ。1996年から2010年までの14年間はまさにドラマチックな時期で、ギャラリーは国際的に活躍する成功企業へと発展した。ツァーンラート通り21番地、プライムタワー横のディアゴナル・ビルに移転し、2021年1月にはレミ通り33番地にさらなるスペースをオープン、ギャラリーはますます大きくなっていった。新しい歩みを進めるときはいつも好奇心と幸福感があったが、常にある種のリスクを伴ってもいた。今、喜びとともにこのギャラリーが歩んできた道のりは正しかったのだと実感している。芸術作品を可能なかぎりうまく位置づけること、それが私が常に大事にしていることだ。10月にはパリのマレ地区、アルクビュジエ通り13番地に開廊予定であり、ギャラリーの歴史にさらなる1章が書き加えられることをたいへんうれしく思う。(ピーター・キルヒマン)

ピーター・キルヒマンは当初、自身と同世代のアーティストを中心に展示を行っていましたが、のちに若い世代の新進アーティストに道を開くことに力を注ぐようになりました。過去30年にわたり、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アメリカのアーティストを紹介する強力なプログラムを展開しています。ギャラリーのアーティストの多くは社会政治的・詩的なテーマのもとコンセプチュアルなアプローチをとっており、今日では絵画、ビデオ、フィルム、写真、インスタレーション、彫刻など、あらゆる芸術表現分野を網羅しています。今回の記念展では多様な作家個々のアプローチ方法を拾い上げ、その道筋と認識を一つにまとめていきます。それは全アーティストには共通してある確固たるポジショニングとでも言えるものであり、アーティストが自分の観点を伝え、見る者を作品の対象へと引き込むことを可能にしているのです。

本展と関連出版物は、ギャラリーが過去数年間に関わることのできた多くのコラボレーション、プロジェクト、友好関係をアーティストやつきあいの深いコレクター、美術館や学術機関、訪問者が一体となって祝うまたとない機会となるでしょう。まさにこれらの特別な人々や経験こそが、過去30年にわたるギャラリーの歩みを方向づけ、ともに歩んできたのですから。

詳細についてのお問い合わせはFabio Pinkfabio@remove.me @peterkilchmann.com)まで。

 

出展作家:Rita Ackermann (*1968 Budapest), Francis Alÿs (*1959 Antwerpen), Maja Bajevic (*1967 Sarajevo), Hernan Bas (*1978 Miami), Armin Boehm (*1972 Aachen), Marc Bauer (*1975 Genf), Monica Bonvicini (*1965 Venedig), Balthasar Burkhard (*1944 Bern), Vlassis Caniaris (*1928 Athen, † 2011 ebenda), Ingrid Calame (*1965 New York), Los Carpinteros (Dagoberto Rodríguez *1969, Marco Castillo *1971, Kuba), John Coplans (*1920 London, † 2003 New York), Thomas Demand (*1964 München), Andriu Deplazes (*1993 Zürich), Willie Doherty (*1959 Derry), Olafur Eliasson (*1967 Kopenhagen), Valérie Favre (*1959 Evilard), Marc-Antoine Fehr (*1953 Zürich), Fernanda Gomes (*1960 Rio de Janeiro), Leiko Ikemura (*1951 Tsu City), Bruno Jakob (*1954 Schweiz), Raffi Kalenderian (*1981 Los Angeles), Tobias Kaspar (*1984 Basel), Clay Ketter (*1961 Brunswick), Suzanne Lafont (*1949 Nîmes, Zilla Leutenegger (*1968 Zürich), Hanna Liden (*1976 Stockholm), Jorge Macchi (*1963 Buenos Aires), Teresa Margolles (*1963 Culiacán), Fabian Marti (*1979 Fribourg), Kenrick McFarlane (*1990 Chicago), João Modé (*1961 Resende), Claudia & Julia Müller (Claudia Müller *1964, Julia Müller *1965, Schweiz), Adrian Paci (*1969 Shkoder), Bernd Ribbeck (*1974 Köln), Dagoberto Rodriguez (*1969 Kuba), Michal Rovner (*1957 Ramat Gan), Paul Mpagi Sepuya (*1982 San Bernardino), Shirana Shahbazi (*1974 Tehran), Santiago Sierra (*1966 Madrid), Melanie Smith (*1965 Poole), Javier Téllez, (*1969 Valencia), Tercerunquinto (Gabriel Cazares Salas *1978, Julio Castro Carreón *1976, Rolando Flores Tovar *1975, Monterrey), Hannah Villiger (*1951 Cham, † 1997 Auw), Andro Wekua (*1977 Sochumi), Uwe Wittwer (*1954 Zürich), Artur Zmijewski (*1966 Warschau)

 

出典:ギャラリー・ペーター・キルヒマンプレスリリース(ドイツ語)

 

Galerie Peter Kilchmann(ギャラリー・ペーター・キルヒマン)
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