アーティスト・チョイス:マルティナ・モルガー 私たち、もう死んでる?

Nada, 2009, tempera and oil on jute, 240 x 180 x 6,5cm. © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2023./ Photo: Jörg von Bruchhausen.
Exhibition "Are we dead yet?" (2023)

私たち、もう死んでる?それとも、疲れているだけ? 常に人生のあらゆる選択肢を使い果たし、常に疲れ果てた人生について語る・・・人間は自身がすべての中心にあると思っているのです。

「アーティスト・チョイス」は、リヒテンシュタイン美術館のコレクションからの展示を行うにあたって、美術家に作品の選定をお願いする新しい展覧会シリーズです。

マルティナ・モルガー(1989年ファドゥーツ生まれ)はパフォーマンスとマルチメディア作品を制作し、現代の社会問題を批評的にとらえています。「私たち、もう死んでる?」展ではモルガーがキュレーターを務め、私たちの社会のあらゆるところで見られる疲弊という現象について内省を促す作品を展示します。

私たちはもう死んでしまっているのでしょうか?それともただ疲れているだけなのでしょうか? マルティナ・モルガーはコレクションから選んだ約20点の作品をもとにこれらの問いに取り組みます。特に注目したいのはビデオ作品です。展示作品の多くは、しばらく展示されていなかったり、初めて一般公開されるものです。展示の合間にあるモルガー自身によるインスタレーションは大きなベルベットのカーテンで構成され、展覧会のテーマを柔らかく慈愛で包み込む鞘のようです。

マルティナ・モルガーが選んだ作品が反映しているのは、満たすことをあきらめている、またはほとんど満たせない私たちの欲求への探求です。最後の別れ、薄れゆく記憶、忘れ去られたものへの憧れが、私たちを何度も何度も至福のノスタルジアへといざないます。捨てられたもの、やって来るのが遅すぎたもの、行方不明のもの、死んだと思われているもの、死ぬ運命にあるものが、私たちの現在の感情を取り囲みます。それはまるでハゲタカが腐肉に群がるかのようです。その一方で、私たちは公共の利益よりも個人の利益を優先させます。欲求には善い欲求・悪い欲求があるのでしょうか。

制作:リヒテンシュタイン美術館
キュレーション:マルティナ・モルガー

出展作家:
Giovanni Anselmo, Edith Dekyndt, Latifa Echakhch, Jochen Gerz, Christoph Getzner & Markus Getzner, イケムラレイコ, Anne Marie Jehle, Gemma Jones, Anna Kołodziejska, Matt Mullican, Bruce Nauman, Cady Noland, Marcel Odenbach, Gina Pane, Pamela Rosenkranz, Aleksandra Signer, Erik Steinbrecher, Nora Turato, Erich Weiss.

出典:Kunstmuseum Liechtenstein

 

Kunstmuseum Liechtenstein(リヒテンシュタイン美術館)
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