「身体」は、作者/モデル/鑑賞者の身体、表象される身体、ヌード、肖像画や自画像など、表現およびその行為と切り離せない主題、問題であり続けてきました。また、現代社会においては、他者との関係や権力関係の下で闘争の場となる身体、身体的境界線、身体と規範、身体と性、生と死をめぐる問題も繰り返し浮上しています。2023年度のコレクション2は「身体———身体」と題し、20、21世紀を代表する美術家であるルイーズ・ブルジョワの作品《カップル》(1996年)を国内初公開するとともに、ブブ・ド・ラ・マドレーヌのインスタレーション、石川真生の写真、鷹野隆大の写真、加藤泉の絵画など近年の新収蔵品を含む所蔵品をご紹介します。
加えて本展では、国立美術館巡回展への貸出のため長らく展示の叶わなかったポール・セザンヌやパブロ・ピカソらの作品を久しぶりにまとめて展示するほか、休館中に実施した画面クリーニングに伴い一時的にB2階へと移動した高松次郎の《影》を、いつもより広々とした空間で下絵や関連素描とともにご覧いただきます。
本展覧会タイトルの「身体」と「身体」のあいだの線は身体間の距離を視覚的に表すべく、全角ダッシュ記号(—)を3つつなげ表記しています。
出展作家:ジャン(ハンス)・アルプ、イケムラレイコ、石川真生、アンディ・ウォーホル、オルラン、マックス・エルンスト、ミリアム・カーン、加藤泉、草間彌生、アレクサンダー・コールダー、フェリックス・ゴンザレス=トレス、オシップ・ザッキン、ジョージ・シーガル、塩田千春、アルベルト・ジャコメッティ、アドリエナ・シモトヴァー、須田悦弘、キキ・スミス、ポール・セザンヌ、鷹野隆大、高松次郎、ヴィレム・デ・クーニング、マルセル・デュシャン、ジャン・デュビュッフェ、ニキ・ド・サンファール、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、パブロ・ピカソ、ジャン・フォートリエ、藤田嗣治、ルイーズ・ブルジョワ、リンダ・ベングリス、レイチェル・ホワイトリード、馬六明(マ・リューミン)、マリノ・マリーニ、マーク・マンダース三島喜美代、ジョアン・ミロ、ヘンリー・ムア、やなぎみわ、マン・レイ、シェリー・レヴィ―ン
開催時間
10:00 – 17:00、金曜・土曜は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日
月曜日(ただし、2月12日(月・休)、4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館し、2月13日(火)は休館)
レビュー(美術手帖)「ルイーズ・ブルジョワを起点に見る、アーティストたちの『身体』への問い。中嶋泉 評『コレクション2 身体———身体』」
出典:国立国際美術館、出品作品リスト
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