ドローイングの現在 ― 新収蔵品展

Series Shadow Girls, 1996, watercolor on paper, 42 x 30cm, collection of Kunstmuseum Basel. © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2024.

出展作家:ミヒャエル・アーミテージ、シルヴィア・ベッヒリ、ミリアム・カーン、ロザ・エル=ハッサン、ペラギー・グバギディ、イケムラレイコ、ルネ・リーヴァイ、マーヤ・リーダー、マルティン・アッシヒ

バーゼル美術館の版画素描館は、7世紀にわたる約30万点の作品を収蔵しています。コレクションがつねに拡大しつづけているのは寄贈や購入によるものです。バーゼル美術館が今回展示する現代のドローイングは約200点、そのほとんどはここ10年でコレクションに加わったもので、ミヒャエル・アーミテージ、マルティン・アッシヒ、シルヴィア・ベッヒリ、ミリアム・カーン、ロザ・エル=ハッサン、ペラギー・グバギディ、イケムラレイコ、ルネ・リーヴァイ、マーヤ・リーダーの作品です。

ドローイングは抽象的であったり具象的であったり、熟考の上で描かれたものもあれば衝動的に描かれたものもあります。そこに描かれているのは、文化と宗教が生み出す緊張関係における、個人や集団のアイデンティティといったテーマです。その一方で、幅広の描線と色彩が用いられた、絵画との境界線を無視した作品もあります。

「現代のドローイング」は、当館がどのように収集を行っているのかが分かりやすく見られる展示となっています。展示作品のセレクションがその良い例となってくれていますが、できるだけ関連作品を多く集め、作家が立つポジションへの理解を深めるというのが中心にある考えです。これは、できるだけ多くの作家から作品を少しずつ集めるという、いわば百科全書的なコレクションとは対照的です。一連の作品グループを充実させるという収蔵を継続的に行ってきたおかげで、本展では各アーティストが展示室を丸ごと使っての展示が可能となりました。

1980年代初頭からは、シルヴィア・ベッヒリ、ミリアム・カーン、イケムラレイコの作品の大規模なコレクションが集まりました。このコレクションの根底にあるのは、単なる作品購入だけでなく、共同での展覧会プロジェクト、コレクターや財団との長年にわたる定期的な交流や信頼関係です。一方、ルネ・リーヴァイとマーヤ・リーダーは、まだ作品数は少ないものの、最近になってようやくコレクションに加わりました。

ここ数年バーゼル美術館は、作家のセレクションをより多様なものにすることにも力を入れています。例えば、ミヒャエル・アーミテージとペラギー・グバギディは、ともにアフリカにルーツを持つ作家です。彼らの具象的なドローイングは、方法は異なるものの、異文化間に横たわる問いを浮き彫りにしています。

キュレーター:アニータ・ハルデマン

新館
展示室1:ルネ・リーヴァイ
展示室2:マーヤ・リーダー
展示室3:シルヴィア・ベッヒリ
展示室4:イケムラレイコ
展示室5:ミヒャエル・アーミテージ、ペラギー・グバギディ、ロザ・エル=ハッサン
展示室6:ミリアム・カーン

本館
1階・グラフィックアート館:マルティン・アッシヒ

出典:バーゼル美術館

 

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