ドローイングから水彩画、ペインティングから写真、そして陶やテラコッタ、ブロンズ、最近ではガラスを使った彫刻へと、イケムラレイコの用いる表現手段は幅広い範囲におよびます。彼女の作品の特徴は複雑で高度な表現力を持つ作風にあります。本展で展示する紙に描かれた3点のドローイングは、彼女の美術家としてのキャリアの最初期である1983年に制作されたもので主に具象的な性格を持ち、キャンバスに描かれた近作のペインティング「ホライゾン・ポル（Horizon Pol）」に結びつけられています。この2019年の作品は、ペインティングを描くということにきわめて集中的に取り組んできたイケムラの美術家としての探求の成果が究極的に表れたものであり、具象から離れ、霊妙で時間を超えてゆくような雰囲気を見せる静かな詩情へと向かっています。これらのイメージを本展で展示するにあたり、当館のために特別に作品が選ばれました。本展の終了後はミラノのモンテ・ディ・ピエタ通り23番地にあるビルディング・ギャラリーの広いスペースで行われる「イケムラレイコ 雷鳴のまえ、闇のあと」展にて、より良いかたちで展示が継続されます。この展覧会では4つの空間に集められた50点の作品がテーマ別のグループごとに4フロアに分けて配置されますが、1980年代の大判の木炭画から90年代の繊細でニュアンスのある色調の作品、そして最新の鮮烈な色彩を持ったキャンバス作品まで、イケムラの視覚的ボキャブラリーを紹介するべくレイアウトされたものです。
この展覧会は11月30日まで開催されています。開館は月曜日から金曜日まで。事前に日時をご予約のうえお越しください。予約はculture@ml.mofa.go.jpへ。
なお、本展期間中は領事館へはご自由にご入場いただくことはできません。予約制となっていますのでご注意ください。来館のご希望は上記メールアドレスへお送りいただき、許可を受けた後にお越しください。
出典：在ミラノ日本国総領事館
Consolato Generale del Giappone a Milano（在ミラノ日本国総領事館）
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20121 Milano, Italy
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