本展ではイケムラレイコの芸術における新たな局面がご覧いただけます。バーゼル美術館では彼女の30年に渡る芸術制作の回顧展が開催されていますが、本展「空がこんなに大きいこと」ではイケムラレイコが過去に探求してきた芸術と、絵画・彫刻における新たな境地の双方が明らかに示されます。また、ひとが宇宙をどのように感じ取っているのかを詩的に表すものとなるでしょう。地平線のイメージは一種の中心テーマとしてイケムラレイコの作品を貫き、新しい抽象的なかたちへと変容する一方で、そのイメージの深さは観る者をさらなる自由な想像力の世界へと誘います。回帰する雲のイメージにはほぼ赤やピンクといった色調のみが用いられ、風景の一部分として解釈できるのかもしれません。このシリーズの絵画はまるで知覚における花火ショーのようでもあり、同時にスフマート技法が持つ謎めいた効果を喚起させるものでもあります。イケムラのインスピレーションの源泉は彼女の履歴からも見てとれます。日本・津市に生まれた彼女は大阪大学でスペイン文学を学びました。その後1972年にスペインへ渡り、1973年から1978年まではセビリア美術大学で絵画を専攻。スイスへの移住後、1980年代初頭チューリヒのアート・シーンに大きな足跡を残しました。
出典: GALERIE KARSTEN GREVE AG ST. MORITZ
GALERIE KARSTEN GREVE AG ST. MORITZ
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