Leiko Ikemura - from East to East(イケムラレイコ展「東から東へ」)

Yellow Scape, 2019, tempera and oil on jute, 110 x 180 cm © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2020. / Photo: Jörg von Bruchhausen.

イケムラレイコは最も重要な存命の日本人芸術家の一人です。

クンストハレ・ロストックはこのたびの展覧会でイケムラレイコを取り上げ、当館所蔵品と彼女の芸術を関連づけた展示を行います。これにより東ドイツの芸術といわゆる極東と呼ばれる地域を出自とする芸術のあいだで対話が行われることを、たいへんうれしく思います。

クンストハレ・ロストックによる本展のプレスリリース・ドイツ語版より抜粋・日本語訳のうえ以下に掲載いたします。

 

イケムラレイコは重要な現代美術家のひとりであり、1987年よりドイツに在住し、画家・彫刻家として活躍しています。

イケムラレイコの作品からは彼女の芸術の本質をなす部分が伝わってきます。そこでは人間と自然が溶けあっており、シュールレアリズム的な風景のなかにあらわれる幻想的でハイブリッドな存在はそのハイライトと言えるでしょう。共にいること、そして異なるものどうしでいることは、矛盾しているのと同時に調和がとれているように感じられます。この異なるものの融合というのはイケムラレイコの半生を映しだしたものでもあります。イケムラレイコが深くもぐりこんだ西洋の芸術や文化は彼女のルーツにも影響し、日本の伝統に内在するテーマやかたちといったものを発見させるにいたりました。

クンストハレ・ロストックはこのたびの展覧会へイケムラレイコを迎え、彼女の作品と当館所蔵品および借用作品とを関連づけて展示します。東ドイツおよび東ヨーロッパの芸術が東アジアへのまなざしを手に入れ、対話が生まれることを目的としています。

本展では絵画・水彩画・彫刻・写真を含むイケムラレイコの過去30年間の作品約44点が展示されます。白黒写真の連作「フィオーリ・モリ」(2020年)は初展示となります。

イケムラレイコと東ヨーロッパの芸術・文化との対峙を直接的に示すものとして、ロシアにおける20世紀を代表する詩人、マリーナ・ツヴェターエワの恋愛詩へのイラストレーション(1997年)がありますが、イケムラは今回の展覧会では違った観点からとりあげてみたいと言います。東ヨーロッパとじかに接するドイツに住み、極東に自らの文化的起源をもつという立場から見ることで、この対峙がどれくらい新しい視点をもたらし、新しい地平を開くのかを問いかけようというのです。

クンストハレ・ロストックのコレクションの中からイケムラレイコが選び出したのは、代表的な芸術家3名の作品計7点。ロストックの画家カーテ・ディーン=ビット(1900年生まれ、1978年没)による肖像画、ニューヨークを拠点に活動する旧ソ連出身の芸術家夫妻イリヤ&エミリア・カバコフ(1933年・1945年生まれ)によるインスタレーション、旧東ドイツで育ち1980年代に西ドイツに移住した画家サビーネ・モーリッツ(1969年生まれ)による海の風景画です。

くわえてロストック近辺に在住し活動している二人の作家、グラフィックアーティストのクリスティン・ヴィルケン(1982年生まれ)の作品とターニャ・ツィマーマン(1960年生まれ)の作品、そしてドイツとプラハに住むチェコ人彫刻家・写真家のマグダレーナ・ジェテロヴァ(1946年生まれ)の作品を展示します。

イケムラレイコは自らの個人コレクションからベルリン在住のポーランド人美術家アリシア・クワデ(1979年生まれ)と芸術家でもあるアルバニアの首相イーディ・ラーマ(1964年生まれ)の作品を1点ずつ選びました。さらに、ルーマニアで育ち1985年からドイツに住むアーティストデュオのゲルト&ウーヴェ・トビアス(1973年生まれ)も本展に出展します。

イケムラレイコの作品と上記の作家による作品との対話のなかで、国境を越え、新たな経験をもたらす場が開かれます。来観者は感性と感情を揺り起こす雰囲気のなかへ飛び込むことになるでしょう。移民、異文化の同居、文化の相違、そして自分自身のアイデンティティーといったことがらに芸術家それぞれの立場と来歴が反映されること、それが本展の大きなテーマとなっています。

出展作家:
カーテ・ディーン=ビット(Kate Diehn-Bitt)、マグダレーナ・ジェテロヴァ(Magdalena Jetelová)、イリヤ・カバコフとエミリア・カバコフ(Ilya & Emilia Kabakov)、アリシア・クワデ(Alicja Kwade)、サビーネ・モーリッツ(Sabine Moritz)、イーディ・ラーマ(Edi Rama)、ゲルト・トビアスとウーヴェ・トビアス(Gert & Uwe Tobias)、クリスティン・ヴィルケン(Christin Wilcken)、ターニャ・ツィマーマン(Tanja Zimmermann)、マリーナ・ツヴェターエワ(Marina Zwetajewa (Cvetaeva))他

 

出典: Kunsthalle Rostock

 

 

Kunsthalle Rostock(クンストハレ・ロストック)
Hamburger Straße 40
18069 Rostock
Germany
www.kunsthallerostock.de