アジア美術館では絵画作品「Blue Horizon(マリンシリーズ)」がイケムラレイコ本人より寄贈されたことを記念し、コレクション展のテーマ「アンビバレントな風景」が様々な観点をめぐって広がりを見せるイケムラの旧作・近作を展示します。
戦闘シーンを描いた海辺の風景や変化と希望を描いた擬人的な風景がならぶなか、光を具体化したようなガラスの彫刻やメメント・モリのブロンズ彫刻といった具象彫刻の近作が、あいまいで断片的なアクセントを加えています。津(三重県)に生まれベルリンを拠点に活動するイケムラレイコ。彼女が多様なスタイルと技法・メディアを駆使し色調の組み合わせと玄妙なニュアンスの名手であることは、本展においてもはっきりと見てとれます。山と海、人間と自然、死と生、有限と永遠、現時と不朽、完成と未完成のはざまで、希望はどこか深いところから輝き続けています。さあ、もっと光を!
本展はフンボルト・フォーラムでの「民族学コレクションとアジア美術」の常設展のひとつとして、ベルリン国立博物館アジア美術館で開催される企画展です。
Museum für Asiatische Kunst(アジア美術館)
Humboldt Forum
Schlossplatz
10178 Berlin
Germany