イケムラレイコとパウラ・モーダーゾーン・ベッカー

CHICA AND CHICO IN BLUE, Tempera and Oil on Jute, 100×80 cm © Leiko Ikemura 2014
GOYESCA, Tempera and Oil on canvas, 100×50 cm © Leiko Ikemura 2014
GOYESCA, Tempera on canvas, 100×50 cm © Leiko Ikemura 2015

イケムラレイコによる絵画、ドローイング、彫刻で非常に特徴的なのはその独自の作風です。イケムラが創りだす想像の世界のなかでは風景、人物、空間が分かたれることなく抽象へと溶けあいます。内容的な線引きをなくし、色、モチーフ、フォルムが流れるように互いに移り変わります。そこから生み出されるのは脈打つような絵画構成であり、かもしだされる雰囲気は我々の目には見慣れぬものに映りながらも心に深く響きます。

イケムラの芸術の独自性は、彼女が東洋と西洋双方の文化から影響を受けたことに基づくものでしょう。日本で育ち、21歳で渡ったスペインでは美大で絵画を学ぶと同時に、彫刻の制作を行っていました。その後スイスでの数年間を経て、1985年からはケルンとベルリンに在住しています。1991年から2015年までベルリン芸術大学で絵画の教授として教鞭をとっていました。すでに世界中の有名美術館で展覧会が多数開催されてきました。現在、ベルリンのハウス・アム・ヴァルトゼーでは2016年2月19日~4月17日まで大規模展を開催しています。

二ーブーア通り(Niebuhrstraße)のギャラリースペースでは、近年制作された絵画や紙に描いた作品を展示しており、幽霊のように見えるハイブリッドな存在や、世界と世界の境界を越えてゆく存在が描かれています。これらの作品は、近年制作された大型のコスミックな風景画と結びついており、豊富なラインアップの風景画がリゼ・マイトナー・シュトラーセのクンスト・ラーガー・ハースで展示されています。これらの絵画に対置するかたちで近作の大型彫刻の女性像が置かれています。

ギャラリー・ウィークエンドの特別回廊時間:
2016年4月29日(金)午後6時から9時
2016年4月30日(土)午前11時から午後7時
クンスト・ラーガー・ハウスはギャラリー・ウィークエンドと同時一般開館

出典:https://gallerymichaelhaas.com/en/leiko-ikemura-2/

 

ギャラリー・ミヒャエル・ハース
Niebuhrstraße 5, 10629 Berlin, Germany

クンスト・ラーガー・ハウス
Lise-Meitner-Straße 7-9, 10589 Berlin, Germany