イケムラレイコ 青い鳥といっしょに

Exhibition view at PalaisPopulaire, Berlin 2024 © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2024. Photo: PalaisPopulaire.
Figure with three Birds, 2021, patinated bronze, 139 x 120 x 100cm. © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2024.

パレポピュレルは「青い鳥といっしょに」と題し、イケムラレイコ個展を開催します。本展のために屋外エリアと円形の広間を用い、ドイツ銀行コレクション所蔵の紙作品と寄託の彫刻作品とを組み合わせて展示します。

イケムラ作品へのインスピレーションの源泉となっているのは、日本の過去の巨匠たちに加え、シュルレアリスム、戦後のモダニズム、そして1980年代の新しい具象絵画が挙げられます。彼女の作品にはハイブリッドで神話的な存在、少女や女性が登場し、それらは人間、動物、植物のあいだを行き来する存在として描かれています。テーマとなっているのはつねに心理的・社会的・精神的な状態、文明と自然との関係性といったことがらです。イケムラの重要なモチーフであるウサギは福島原発事故後の2011年に初めて登場し、もともとは絵画だったものが彫刻作品へと発展しました。ウサギの耳と人間の顔を持つこの生き物は、普遍的な悲しみを象徴するものであると同時に、回復と再生の象徴でもあります。イケムラ作品に登場する人物の多くは、儀式の衣や建築を思わせる、円錐形でなかが空洞のスカートを身につけていますが、これは内の現実と外の現実の関係性をテーマにしたものです。

本展では弁証法的とも言える展示があちこちに見られます。ベーベル広場では「3羽の鳥を従えた人物」(2021年)が訪れる人々を惹きつけていますが、この丸いフォームというのは建物内の円形広間でも再び登場します。円形広間の中央にはトーテムポールを思わせる「ウサギの柱 III」(2021年)が立ち、その周囲にはめったに公開されない初期のドローイングが展示されています。これらを見るとき、視線は宙へと向かった後、一種の円運動を描きながら彫刻へと戻っていきます。扱いの難しい世界の現状について上機嫌に瞑想を行っている、そんなふうに言えるかもしれません。

開館時間
毎日(火曜日を除く)午前11時~午後6時
木曜日 午前11時~午後9時

出典:SculpturePopulaire (PalaisPopulaire)

 

PalaisPopulaire(パレポピュレル)
Unter den Linden 5
10117 Berlin
Germany

tel.: +49 (0) 30 20 20 93 0

palais.populaire@db.com
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