モノマテリアル

Kitsune, 2022, cast glass, 34,5 x 20 x 14 cm. © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2023.

出展作家:Nevin Aladağ, Darren Almond, Monica Bonvicini, イケムラレイコ, John Isaac, Irene Kanga (CATPC), Alicja Kwade, Olaf Metzel, Michael Müller, Thomas Rentmeister, Ugo Rondinone, Willem de Rooij, Karin Sander, Nasan Tur & Yin Xiuzhen

キュレーター:フィリップ・ボルマン

1960年代、ヨーゼフ・ボイスやアルテ・ポーヴェラの代表的なアーティストたちは、イメージに基づく、まさに西洋的な芸術という概念を拡張しようとしていました。それまで「芸術的ではない」と見なされていた素材を使用したおかげで、素材を用いるのに技術的・物理的・歴史的な観点という制限がなくなり、新しい美的カテゴリーが確立されたのです。素材が本来持っている性質に象徴性を持たせることで、素材は自律的に意味を伝える存在になりました。同時に、あらゆる自然物や工業製品を芸術的創造の素材に選びうるという可能性が芸術へと開かれたのでした。

このような歴史にならい、「モノマテリアル」展は現代の芸術活動において物と物質性の関係からあらわれる様々な表現を強調し、素材の選択がいかに各作品のステートメントに中心的な影響を与え得るかを示そうとするものです。

展示作品はいずれも、主要な素材として一素材のみを使用していますが、制作過程や解釈に明確な違いが見られます。デュシャン的なレディメイドの手法を用いるアーティストもいれば、素材を異なった解釈で用いることを芸術の手段として用いるアーティストもいます。また、素材の持つ性質を利用したり、物質の記憶能力を利用したりする者もあります。非物質的なものを意識的に取り入れることも展覧会で反響を呼んでいます。

モノマテリアル展では、素材を旧態の文脈から引き離し新たな文脈へと位置付けることが、芸術的側面からメディアを考えるにあたりどのように利用されるのか、そしてどのような政治的、社会的、哲学的な問いが提起され、現実に対してどういった新しい見解が出てくるのかを検証します。

(原文:フィリップ・ボルマン)

開場時間:
木曜日~土曜日 12時~18時
事前にinfo@kunstsaele.deまでご予約ください

出典:クンストゼーレ

 

KUNSTSAELE Berlin(クンストゼーレ)
@ Studio Michael Müller
Eresburgstr. 24-29
12103 Berlin-Tempelhof
Germany

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