空間における紙 ― 空間的な紙

Kitsune Woman, 2021, papier mâché, 12 x 26 x 15 cm © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2021. / Photo: Leiko Ikemura.

紙の芸術作品のための美術館「ハウス・デス・パピアース」の第2回めの展覧会「空間における紙 - 空間的な紙」では、「ペーパー・アートアワード2021」受賞者の作品や、「ペーパー・レジデンシー!2021」からの作品をはじめ、その他選りすぐりの作品を展示します。

ハウス・デス・パピアース - 紙のファインアートミュージアムは、美術印刷工房ドゥマージュ(d'mage)を立ち上げたウル・フォーラーとアネッテ・ベルが、キヤノン社とハーネミューレ社の協力のもと設立したもので、ビジュアルアートにおける素材としての紙の認知度を高めるための共同イニシアチブです。

 

ハウス・デス・パピアース - 紙のファインアートミュージアムでは、最近美術館のコレクションに新しく加わった紙のアート作品を集めた「空間における紙 - 空間的な紙」展を開催します。

 

ペーパー・レジデンシー!2021

エレニ・ウィットブロート/フェー・クライス/アリチャ・クワデ/フランツ・ユルシュ

2017年から開催している「ペーパー・レジデンシー!」は、紙を素材とした実験的な制作を行う国際的アーティストを招待しています。毎年アートシーンで活躍する審査員が4人のフェローを選出し、ベルリンにあるキヤノンの印刷工房「d'mage-light」で3回、ミュンヘンにある「ホワイトボックス・アート」が主催するスタジオで1回のサマーレジデンシーを実施しています。主催者であるドゥマージュ社、キヤノン社、ハーネミューレ社は、レジデンスのために最大6万ユーロ相当の紙とプリントを提供しています。

今回の展覧会では、ベルリン在住の彫刻家・画家のフェー・クライス(1984年生まれ)と、グラゴー在住のアーティスト、エレニ・ウィットブロート(1990年生まれ)の作品が主に展示されます。エレニ・ウィットブロートが穴をあけることで紙の持つオブジェクト性を追求したのに対し、フェー・クライスは紙を身近なものとしての限界まで押し上げ、紙を用いた作品に新たな物質性を与えています。

 

ペーパー・アートアワード2021

フィーネ・シャープ(金賞)/アストリッド・ブッシュ(銀賞)/アンゲラ・グレイカー(銅賞)

2021年8月19日、ペーパー・ポジションズ・ベルリンにおいて新たな美術賞「ペーパー・アートアワード」が発表されました。この賞ではドゥマージュ、キヤノン、ハーネミューレの3社により高額賞金が授与されます。アートフェア「ペーパー・ポジションズ・ベルリン」の主催者との協力のもと、ビジュアルアートにおける紙という素材の価値を高めるために設けられました。

今年の受賞者であるフィーネ・シャープ(ギャラリー・クッカイ・クッカイ、ベルリン)、アストリッド・ブッシュ(ギャラリー・ルパート・プファブ、デュッセルドルフ)、アンゲラ・グレイカー(ギャラリー・ナナ・プロイスナース、ハンブルク)の作品は、すかし細工の切紙、紙を破って作ったオブジェ、洗練された浮かぶ和紙の作品など、それぞれの素材感を持ち、様々な種類の紙が使われています。これらはハウス・デス・パピアースのアートコレクションに収蔵されました。

 

出展作家:Burcak Bingöl, Monica Bonvicini
, Astrid Busch, Thea Djordjadze, Lars Eidinger, Goekhan Erdogan, Christiane Feser, Angela Glajcar, Andrea Grützner, Katharina Hinsberg, Oskar Holweck, イケムラレイコ, ISMENE, FRANZ JYRCH, Fee Kleiß, Alicja Kwade, Lindsey Landfried, Alex Lebus, Guy Lougashi, Max Marek, Ketuta Alexi-Meskhishvili, Ulrike Mohr
, Jana Schumacher, Fiene Scharp, Rosemarie Trockel, Wolf Vostell, Eleni Wittbrodt, Erwin Wurm.

 

出典:ニュースレター、ハウス・デス・パピアース

 

Haus des Papiers(ハウス・デス・パピアース)
Seydelstraße 30 (Ecke Elisabeth-Mara-Straße)
10117 Berlin
www.hausdespapiers.com