過去と現在―日本の写真が占めるポジションとは

Girl-V, 2004, black and white photography on baryta paper, 53 x 74,5 cm © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn.

荒木経惟や杉本博司などのビッグネームを除けば、日本の写真はここドイツではほとんど知られていません。官能と静寂、快楽と禁欲、行き過ぎた豊かさと空虚さ、忙しさと時間のなさ…われわれが日本の文化や生活様式に結びつけて考えるような事柄を表すのにこの2人ほどふさわしいアーティストはいないでしょう。しかし日本に対するこれらのイメージはどのくらい西洋から見たステレオタイプによるものなのでしょうか。現代の写真家はどのようなテーマに取り組んでいるのでしょうか。

日独友好160周年を記念して開催される本展では、80点以上の作品を展示し上記の疑問を探ります。とりあげるのは新進写真家のグループが戦争や商業主義、資本主義に背を向け、写真にまったく新しい美学を導入した1960年代末以降の作品です。荒木・杉本作品だけでなく風景写真も展示されます。若い女性写真家の作品は、ファンタジーの世界からフクシマまで、とりわけ現代日本のリアルを反映しています。

出展作家:荒木経惟、イケムラレイコ、川内倫子、森山大道、楢橋朝子、蜷川実花、佐藤時啓、志賀理江子、杉本博司、高梨豊、東松照明、やなぎみわ

出典:ゴスラー・ミェンヒェハウス美術館

 

Mönchehaus Museum Goslar(ゴスラー・ミェンヒェハウス美術館、現代美術振興協会)
Verein zur Förderung moderner Kunst e.V.
Mönchestraße 1
D–38640 Goslar