美術館コレクション展~最近の収蔵品から

Aqua, 2007, watercolor on paper, 24 x 32 cm © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2023. / Photo: Kalle Sanner Fotografi.

北欧水彩画美術館のコレクションはダイナミックで独自のものです。コレクションには現在129名の作家の作品が収蔵されており、新たな収蔵品や寄贈品により毎年充実度を増しています。本展では過去5年間に収蔵された作品を展示します。コレクションは全体から見ると現代美術の一般的な傾向が反映されていますが、それと同時に何らかの際立ったところを持つ美術も含まれています。作品すべてが時代を映す鏡であり、同等の歴史的価値を有するものです。有名な作家もそうでない作家も収蔵されています。当館のコレクションはまさに視覚の冒険であり、技法が水彩画であるということが共通しています。伝統的であることと実験的であることが両立し、重要なのは類似性よりも独自性なのです。

出展作家:Gunilla Bergström, Andreas Eriksson, Mats Gustafson, Arne Isacsson, Bernd Koberling, イケムラレイコ, Lars Lerin, Maria Nordin, Jockum Nordström, Martha Ossowska Persson, Adam Saks, Astrid Svangren, Fredrik Söderberg, Katja Tukiainen, Knutte Wester

 

--

イケムラレイコの作品の雰囲気からシュルレアリスムの画家オディロン・ルドンや、ドイツの表現主義美術家ルイーズ・ブルジョワのトレンドを生み出す作品を想起するのは自然なことでしょう。しかしイケムラが見つけ出したスタイルは独自で魔術的なものです。夢のようで、詩的で、すべてのものが固定されずにいるかのような、すべてのものが絶えず変化していく過程にあるかのような、玄妙なメタモルフォーゼに揺れ動いています。時を経てイケムラは、昼光と夜闇を好む自然の魂が宿る日本という自身のルーツに回帰し始めました。なぞめいた彼女の作品が描き出すのは不思議な生き物、動物、植物、鉱物、建築物のディテールといったものであり、それらが溶け合いだんだんとイメージが浮かび上がってきます。自然の持つ精神があらゆるものにインスピレーションを与えるという日本人特有の自然観がイケムラの作品世界にこだましています。「変容」は彼女の生み出す作品の主要なポイントとなっています。

出典:北欧水彩画美術館イケムラレイコ紹介ページ

 

Nordiska Akvarellmuseet(北欧水彩画美術館)
Södra Hamnen 6
471 32 Skärhamn

tel. +46 (0)304–60 00 80
info@akvarellmuseet.org
https://www.akvarellmuseet.org/