出展作家:Rémy Bender, Hicham Berrada, Bigert & Bergström, Sara Bouchard, Olaf Breuning, Daniel Buren, Vadim Fishkin, Jochen Gerz, Sigurður Guðmundsson, イケムラレイコ, Romuald Karmakar, Katrin Agnes Klar, Nanne Meyer, Dennis Oppenheim, Marjetica Potrč and Ooze, Marco Schuler, Michael Snow, Paul Valentin
風は動かし、触れ、変化させます。風は私たちを駆り立て、ブレーキをかけ、そよ風から猛烈な嵐まで幅広く風と呼ばれます。向かい風や追い風と言うことで進みやすさや進みにくさを表すだけでなく、特にダイナミックな状況を表現するのに「良い風を起こす」人や「空間を吹き抜けるつむじ風」という言葉の使い方もあります。航海と貿易を決定づけるのはつねに風であり、粉をひくための風車を回し続け、再生可能エネルギーのキーとなるのも風です。風はこのように私たちの生活や天候、気候、地球温暖化などに多大な影響を及ぼしているのですが、驚くべきことに、これまで一般の認識や気候研究において重視されてきませんでした。
展覧会のタイトル「Solar Breath」は、カナダのアーティスト、マイケル・スノウの映像作品からの借用です。カーテンがポエティックな振り付けのように風に舞い、時間、空間、光、空気の動きを映し出した作品です。「太陽の呼吸」、つまり地球に作用する太陽のエネルギーは、この星全体を循環させる原動力です。その循環こそが巨大な規模の気団を移動させ、地球上に配分する役割を担っているのです。太陽光線によって熱せられた気団は赤道付近で上昇し、温度の低い北極・南極域でふたたび降下します。コリオリの力がこれらの潮流現象に方向を与え、高気圧や低気圧周辺の気流の回転方向や、貿易風やジェット気流の形成に影響します。風のシステムはこのように地球規模であり、そのなかの個々の要素が変化すると、大雨、干ばつ、熱波などの局地的な影響につながる可能性があります。
風が持つ複雑な相互作用が本展にも風をもたらします。現代アートが示す複数のポジションを、風通しよく、感覚的に眺めわたせる展覧会となっています。天候をコントロールするという人類の古来からの夢を語り、気象学的な観点にかたちを与え、山の風をささやかせ、扇風機で作品のかたちを変化させる作品をご覧ください。はかなく、見ることもさわることもできないけれど現実に起こっている風。それに魅了されたアーティストたちは、この自然現象のアンビバレントさ ― 潜在的な力と脅威、そして軽さと破滅をもたらす力 ― を表現する作品を発表しています。
開館日時:
木曜日 午後2時~6時
土曜日 午前11時~午後6時
その他ご予約に応じます
入場無料
出典:ERESファウンデーション
ERES Foundation
Römerstraße 15
80801 München
tel. +49 (0)89 388 79 0 79
info@eres-stiftung.de
https://eres-stiftung.de/