現状報告 ― ヘルマンコレクションとベルリン現代美術財団の作品

Source: Kunstraum Potsdam

クンストラウム・ポツダムでは「現状報告(Zustandsbericht)」というタイトルで、ベルリン・ヘルマン・コレクションとベルリン現代美術財団が所蔵する作品を展示します。税理士であるマンフレッド・P・ヘルマンとその妻で美術史家のブルクリント=クリスティン・シュルツ=ヘルマンが1980年代半ばから始めた現代美術の収集は、現在では600点以上の作品を有する驚くべきコレクションへと成長しました。このコレクションは主にベルリンで活動するアーティストや、ナン・ゴールディンやミシェル・マジェルスなど一時期ベルリンに住んでいたアーティストに焦点を当てたものとなっています。

コレクションの中で特別な位置を占めるのがヘルベルト・フォルクマンの友人であった芸術家たちです。ヨナタン・メーゼをはじめ、ダニエル・リヒター、タール・R、アレクサンダー・イスキンが含まれます。2011年のインタビューでフォルクマンは、ドラッグを使用しながら描いた自画像のことを「実存的な現状報告書」と言い表しています。芸術家でありコレクターでもあった彼は2014年に亡くなっていますが、この作品でテーマとしていたのは自身の放蕩、依存症との闘い、逃避と絶望といったことでした。しかし、これらはベルリンに一種の異常事態が蔓延していた時代の病理でもあると即座に理解しうるでしょう。1990年代半ばにベルリンが社会的・政治的に一変したのは誰もが知るところですが、そこからこの街はドイツ国内のみならず、国際的なアートシーンを惹きつける存在になりました。新たな自由を得たベルリンは、アーティストやクリエイターが国境を越えて実験し、イノベーションを起こし、型にはまらないアイデアを実現する舞台となったのです。

本展は芸術がエネルギッシュに躍動するこの時代を出発点とし、その視線は現代へと伸びています。「現状報告」というどこの役所かと思うようなタイトルは、フォルクマンの言葉をただ引用したものではありません。同時代に形成されたこれまでほとんど一般公開されたことのない当コレクションの本質をユーモラスかつ冷静に見つめるタイトルです。世紀の変わりめの美的感覚を決定的なものにし、そのクリエイティブな精神が今日にも影響を与え続けている作品の数々に焦点を当てた「現状報告」なのです。

出展作家:Theo Altenberg, Tom Anholt, Martin Assig, Edouard Baribeaud, Laura Bielau, Blue Noses Group, John Bock, Monica Bonvicini, Marc Brandenburg, Olga Chernysheva, Peter Chevalier, Billy Childish, Birgit Dieker, Hannah Dougherty, Angela Dwyer, Marcel Dzama, Simon English, Paul Fägerskiöld, Rainer Fetting, Zohar Fraiman, Nan Goldin, Philip Groezinger, Oska Gutheil, Thomas Hornemann, Thomas Houseago, イケムラレイコ, Elmgreen & Dragset, Alexander Iskin, Michelle Jezierski, Josh Kline, Alexei Kostroma, Michel Majerus, Marepe, Megan Marrin, Marwan, Jonathan Meese, Isa Melsheimer, Sarah Morris, Oscar Murillo, Christoph Niemann, Adam Pendleton, Jaume Plensa, Magnus von Plessen, Daniel Richter, Achim Riethmann, Julian Röder, Thomas Saraceno, Steve Schepens, Michael Schmidt, Maria Serebriakova, Eva Seufert, John Noel Smith, Dash Snow, Christoph Steinmeyer, Thaddeus Strode, Young-jun Tak, TAL R, Wawrzyniec Tokarski, Jorinde Voigt, Herbert Volkmann, Ai Weiwei, Pae White, Mark van Yetter, Maximilian Zentz Zlomovitz

キュレーション:リンダ・パイツ
モチーフ:ハナー・ドゥハティ

開館日時:水曜日~日曜日、午後1時~6時

出典:クンストラウム・ポツダム

 


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