静物画 昨日と今日

Flowers, 1994, oil on canvas, 45 x 35 cm. © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2022.

ギャラリー・ミヒャエル・ハースでは、17世紀から現代に描かれた静物画を幅広く展示いたします(2015.11.27 - 2016.01.09)。

静物画は古代ギリシャやルネサンスの画家たちによってすでに試みられていた画題ですが、歴史画、肖像画、室内画、風景画と同等の地位を占めるようになったのは1600年以降のことであり、貴族や上流階級、さらには農民のあいだでもたいへんな人気を博しました。静物画のスタイルを決定づけたのは、特にオランダやフランドル地方のバロック時代のものです。スペイン、イタリア、フランス、ドイツでも静物画は17世紀に全盛期を迎えました。この時代に静物画は現在でも通用するようなカテゴリーへと発展していきました。花を描いたもの、生のはかなさを表した静物画(ヴァニタス)、室内装飾のある静物画、果物、食料品、様々な道具、本などです。

世俗化が進んだおかげで、日常的なもの、珍品、特別な果物や花といった世界中の希少品、おしゃれなグラス、皿、銀食器などが表現に足るものとなりました。しかし当初から、画家たちはこのジャンルを使って象徴的な内容や宗教が救済をもたらす物語、哲学的ヒューマニズム、あるいは社会に関連する事柄を伝えてきました。キーワードとなるのは美、自然、はかなさ、生、死などが挙げられるでしょう。本展の作品から、時代精神や生活環境の変化と並行して描かれる対象が常に変化してきたことが見て取れます。しかし、普通でないものごとで飾り立て、描き出される一般の生活というものは、今日に至るまで特に静物画のテーマであり続けています。

ニコラ・アンリ・ジョーラ・ド・ベルトリー、ジョルジュ・ブラック、ジョルジオ・デ・キリコ、ジョージ・コンド、ロヴィス・コリント、ヴァルター・ダーン、ジェームズ・アンソール、ジャン・フォートリエ、イケムラレイコ、アレクセイ・ヤウレンスキー、アレクサンダー・カノルト、デヴィッド・ニコルソン、パブロ・ピカソ、オディロン・ルドン、テオデュール・オーギュスタン・リボ、クルト・シュヴィッタース、フェリックス・バロトン、アンディー・ウォーホル等の出展作家による多数の絵画のほか、写真作品2点、紙に描かれた作品が1点、彫刻2点が本展に出品されます。

出典:ギャラリー・ミヒャエル・ハース

 

Galerie Michael Haas(ギャラリー・ミヒャエル・ハース)
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