システム上重要って?

Fuku, 2012, watercolor on paper, 61 x 46 cm, Staatliche Kunsthalle Karlsruhe © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2020. / Photo: Jörg von Bruchhausen.

特別展示:システム上重要? 私たちの生活、そして私たちはいかに生きるのか

心に迫る表現力豊かな水彩画(イケムラレイコ作『FUKU』)が出会う、黙示録的グラフィックと希望に満ちた絵画

 

「システム上重要」というのは、もともとは財政政策分野の言葉です。パンデミックの影響下でこの言葉の意味するところが拡大され、食品・医療・治安維持・物流・エネルギーといった、生活に欠かせない商品やサービスの供給を地域社会へ確保するすべての産業や職業グループにへと広がりました。

このことが大きく問題となるのは、何が重要かを決定する基準が生み出され、価値判断の分断や社会の分断をもたらす可能性があるということです。「システム上重要」という言葉はその裏面をつねに内包しています。つまり「システム上重要でない」ことを指し示し、それらは切り捨ててもよいとみなされるのです。しかし、「システムとは無関係」なものがすべてなくなった社会とは、いったいどのように見えるものでしょうか。物語やユーモア、ファッション、スポーツ観戦やお気に入りのプレイリスト、生活問題や視野を広げることがなくなってしまったら?

「システム上重要」な職業によって私たちの生活は保証されています。私たちがどのように生きるかが決定されるのは別のところにあります。「システム上重要?」展は即興的に企画された展覧会であり、中世後期美術から現代美術、そして目下の危機的状況への言及を含みます。孤立した作品が孤立した観覧者と出会う―「ソーシャル・ディスタンシング」の要求は、美術館における展示方法にも伝染してきています。

出展アーティスト:Franz Ackermann, Otto Dix, Albrecht Dürer, Francisco de Goya, Erich Heckel, イケムラレイコ, Pablo Picasso, Giovanni Battista Piranesi, Gerhard Richter, Peter Paul Rubens, Rembrandt, Sean Scully 他

出典:カールスルーエ州立美術館オンライン ドイツ語版

 

当展がSWR(南西ドイツ放送)のテレビ番組「Kunscht!」(2020年7月2日放送)で取り上げられました。
下記リンクよりご覧いただけます(2021年7月2日まで視聴可能)。
"Systemrelevant? Dass und wie wir leben". Die Kunsthalle Karlsruhe reagiert auf die aktuelle Krisensituation!

 

Staatliche Kunsthalle Karlsruhe
(カールスルーエ州立美術館)
Hans-Thoma-Straße 2–6
76133 Karlsruhe

Instagram / #kunsthalle_ka