出品作家・作品
■現代美術ギャラリー(予定)
イケムラレイコ、カレル アペル、フランチェスカ ウッドマン、大竹伸朗、加藤美佳、アンゼルム キーファー、坂田栄一郎、シンディ シャーマン、崔在銀、名和晃平、奈良美智、ジョナサン ボロフスキー、増田佳江、宮脇愛子、ロバート メイプルソープ、森村泰昌、やなぎみわ、横尾忠則、マーク ロスコなど
■特別展示室 觀海庵(予定)
加藤泉、狩野永徳、狩野探幽、徐霖、野村仁、円山応挙など *会期中に展示替えを行います
■常設展示、屋外作品
草間彌生《ミラールーム(かぼちゃ)》、奈良美智《My Drawing Room》、宮島達男《時の連鎖》、束芋《真夜中の海》、鈴木康広《日本列島のベンチ》、森村泰昌《輪舞(双子)》、李禹煥《関係項》、アンディ ウォーホル《キャンベルズ トマト スープ》、オラファー エリアソン《Sunspace for Shibukawa》、ジャン=ミシェル オトニエル《Kokoro》など
私たちは夢を見ます。夜ごと、あるいは街を歩きながら。
目に映る風景の色や、聞こえる音、触れているものの重さや温度などに普遍的な事実があったとしても、受け止め方は人それぞれ。嬉しいことがあれば世界が輝いて見え、悲しいことがあれば近くにいる人の声を遠くに感じることもあります。この気持ちと身体の相互作用は、今、確実に自身に起きていることではあるのに、夢をみているかのように曖昧で、とらえがたく、その実感を誰かと共有することも難しいものです。
夢とは眠るときにだけ見るものとは限りません。例えば美しい景色やメロディに心を奪われる瞬間や、小説、映画や舞台の物語に没入している時間に、あなた自身はどこにいるといえるでしょうか。デジタルの画面の中と、怪我をすれば痛みを感じる生身の身体の両方を行ったり来たりしている私たちにとって、いまや現実と架空を完全に切り離すことはナンセンスのようにも思えます。「現実(リアリティ)」とはどこかにあるものではなく、それぞれの実感=「たしかさ」をたどる行為そのもの。まるで一枚ずつ見えないヴェールをかいくぐりながら歩みを進めるように、私たちは常に、幾重にも折り重なった夢を現実に見ている状態だといえるのかもしれません。
時にアーティストは、不確かなイメージをとらえようと多様な表現を試みてきました。彼らが思い描き生み出した作品は、私たちに新しいヴィジョンを見せてくれます。そして美術館では、収蔵庫の中で静かに眠っている作品を呼び起こすのは学芸員の役割ですが、どのような「トロイメライ=夢見ごと」を立ち上げるのかは鑑賞者ひとりひとりにゆだねられます。希望、理想、幻想、無意識、眠り…。本展では、誰もが身近に感じながらもその多彩さゆえに謎めく「夢」、「夢を見ること」をキーワードに作品を紐解いてゆきます。
「トロイメライ」とは・・・
ドイツ語の「トロイメライ」は日本語に訳すと「夢のような」、「夢見心地」という意味。ロマン派の作曲家 ロベルト シューマンによる同名の楽曲(小品集「子どもの情景」の7曲目)は、恋人から送られた手紙の中で「時々あなたは子どもに見えます」と書かれていた言葉を思い出し、その余韻の中で作曲されたという逸話が残っています。ゆっくり歩くような単調な繰り返しの中に、天から優しく降りそそぐ光や、願い、一瞬の戸惑い、そして憧れへ向かう躍動感をも感じさせるのが特徴です。
出典:原美術館 ARC
原美術館 ARC
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