不思議な世界 ルネ・マグリットからダニエル・リヒターまで

Tiger Lake, 2009, oil on jute, 90 x 120cm. © Leiko Ikemura and VG Bild-Kunst Bonn, 2023.

2023年5月13日よりクライフーズ・バウ美術館では、アナ&ミヒャエル・ハースのプライベートコレクションから、その不思議な世界をのぞきこむような展覧会を開催します。エヴァ・エプリ、イケムラレイコ、ジョン・アイザック、ルネ・マグリット、ダニエル・リヒター、カロライン・スミット、ピア・シュタットボイマー、アントニ・タピエス、ジャン・ティンゲリー他の作品が展示されます。

私たちはいつ何かを「不思議だ」と感じるのでしょうか、そして宇宙全体はいつ不思議な世界となるのでしょうか。「wundersam(不思議な)」という形容詞は「Wunder(奇跡)」という言葉から派生したものです。奇跡とは私たちが経験的に知っているすべてのものと対照的なものであり、通常や慣習を超えるものです。芸術においては奇跡を出来事として描きだすだけでなく、奇跡的な物語、奇跡的な宇宙や世界へと広がりを見せます。

シュルレアリスムは様々な芸術分野を内包し、考え得る限りのかたちで不思議な世界やパラレルワールドを生み出しました。本展の特色は現代美術と本展のために選ばれた作品への橋渡しにあります。展示作品は現代美術におけるフィクションや超現実との相互作用のなかでこの主題を表現する模範となるものです。

美しいと考えられているものとの決別こそが、本展に出展するアーティストたちに一致するものです。彼らの作品は相反する連想、考え、感情をもたらしますが、人はそこから逃れられず、思わず感情移入してしまうのです。写実は不条理や幻想と出会い、美は残酷さと結びつきます。現実は幻想となり、おとぎ話のようなものは私たちを魅了し、観る者に襲いかかります。モチーフは身近なもののように見えると同時に見慣れないものでもあります。魅力を放ちながらも脆弱で悪夢的なものへと傾いていくような壊れそうな美しさがあり、かといって悪が具体的に見てとれるというわけでもありません。一抹の不安を感じつつも、かつて見たことのないものの誘惑に身を任せてしまうのです。

この特別展はベルリンのアナ&ミヒャエル・ハース・コレクションの協力のもとで開催されます。

出展作家:Eva Aeppli, Nader Ahriman, Bertozzi e Casoni, GL Brierly, Maurice Cantens, Heinrich Dähling, Marianna Gartner, Kerstin Grimm, イケムラレイコ, John Isaacs, Edmund Kanoldt, Tomasz Kowalski, Wolfe von Lenkiewicz, Thomas Lerooy, Maestro della fertilità dell'uovo, René Magritte, 増山裕之, Kate MccGwire, Léopold Rabus, Till Rabus, Daniel Richter, Friedrich Schröder-Sonnenstern, Carolein Smit, Pia Stadtbäumer, Volker Tannert, Antoni Tápies, Houda Terjuman, Jean Tinguely, Thomas Virnich

出典:クライフーズ・バウ美術館展覧会パンフレット


Museum im Kleihues-Bau
(クライフーズ・バウ美術館)
Stuttgarter Straße 93
70806 Kornwestheim

tel. +49 (0) 7154-202-7401
fax. +49 (0) 7154-202-7404

museen@remove.me @kornwestheim.de
https://museum-kleihues-bau.kornwestheim.de/start.html